*こちらのページは、観光ガイドの代わりとすることが目的ではなく現地ガイドの経験から便利で役に立つ情報を提供できたらという思いから作りました。
*お勧めのレストランやお店に関するコメントはステファニーの個人的な意見です。
グルドン(Gourdon)と全く同じ綴りの村がミディ・ピレネー県にもあり、リュベロン地方(アヴィニョンの東約38km)にはゴルド(Gordes) という鷲の巣村もありますが、こちらではコートダジュール、アルプ・マリティム県のグルドン(Gourdon)村についてご案内します。
グルドン(Gourdon)は、香水の都グラース(Grasse)から北へ約14キロ、標高760メートルの目がくらむほどの絶壁の頂上にある鷲の巣村です。村からは、ルー峡谷(Gorges du Loup)の素晴らしい景色と地中海が見渡せます。
コートダジュールには、厳しい選考基準をクリアし「フランスの最も美しい村」認定を受けている村が3つありますが、グルドンはまさにその中の一つです。
日本語のガイドブックには情報がほとんど掲載されていないため、日本の旅行者の方々にはあまり知られていないようです。
☆歴史
グルドンの起源は、古代ギリシャ・ローマ文明までさかのぼります。村の名前は、岩の絶壁の上の要塞化した場所という意味のプロバンス語、ゴルドンヌ“Gordone”から由来しています。二重の城壁に囲まれ要塞化した町の遺跡は古代ローマ人が居たことを示しています。
4世紀から6世紀の間には、イスラム教徒のサラセン人が侵略してくるのを追い払うために要塞が造られます。グルドン城はその後改築されます。7世紀には、プロバンス伯が本格的な要塞を造るために城を取り壊します。乗り越えがたい城壁と3つの望楼と主塔で上部を覆われた城が1235年までプロバンス伯に属します。
1598年には、ルイ・ド・ロンバールがグルドンの領主となり、宗教戦争の際に壊された城を改修します。フランス大革命の際にはグルドンにも波がやってきますが、争いや戦うことなく行われます。
1891年4月にはイギリスのヴィクトリア女王がグルドンを訪れたため村のメイン広場はヴィクトリア広場と呼ばれています。1907年には、ルー峡谷に道を建設したために地崩れが起き17名が犠牲となります。1942年〜45年にはドイツ軍に支配され、城は監視所となります。1945年8月21日に村はドイツ軍から解放されます。
今日の城は1997年にロラン・ネグロ氏が有名なフランスのビジネスマンの父親から遺産相続し、所有しています。歴史的建造物として指定されたため、2010年10月4日からは見学ができなくなります。アンドレ・ル・ノートル(ベルサイユ宮殿の庭園も造った造園家)によって設計された庭園だけが10名以上のグループで事前予約をされた場合に見学が可能です。
☆観光案内
グルドンは、地理的な位置の関係上、コートダジュールとプロバンスの間にいる印象を与え、とても独特な雰囲気です。メインストリートとメインストリートから入れる小さな道がいくつかある程度のとても小さな村なので、1時間以内で廻りきれます。先ほどコメントしたル・ノートルの庭園の他に、7世紀に建てられたサン・ヴァンソン教会、サン・ポンチャペルとその中世の庭、サン・ヴァンソンチャペルなどがあります。ヴィクトリア広場からは、びっくりするような見晴らしの景色が見られます。小さなお店はたくさんありますし、大きなお土産屋さんもいくつかあって、レストランもあります。グルドンは、ラベンダーと蜂蜜で有名で、お土産として人気です。スパイシーで甘いパン・デピス(Pain d’épice)もとても美味しいです。
夏の間はとても涼しくて、空気がきれいで、グルドンを訪れると私はいつもほっとします。人ごみやコートダジュールの景色とはずいぶん変わって、自然に囲まれています。冬の間は寒くて、道が凍結したり、落石の危険があります。お店も冬の間は閉まっているのでグルドンへは春から秋に行かれることをお勧めします。
☆マイ コートダジュール ツアーズは、コートダジュールの小さな村々巡りツアーを運行しています。
グルドンには夏期(4月~10月)に、冬期(11月~3月)は凍結、落石の危険がある為 グルドンの代りにヴァンス(自由散策)に行きます。 公共交通機関でまわるのがほぼ不可能なこれらの村々をワンボックスカーで効率よく1日でまわります。詳しくはこちら
☆アクセス
村までのアクセスは車がないとかなり難しいです。
公共交通機関としては、
・アンチーブからEnvibus 11番に乗り、シャトーヌフ(Châteauneuf)まで行きます。1時間程度 時刻表はこちら
・グラース、ニースからは500番のバスに乗り、シャトーヌフ(Châteauneuf)まで行きます。グラースから20分程度、ニースから1時間15分程度 時刻表はこちら
シャトーヌフ(Chateauneuf)からはEnvibusの”icilà”というバスを事前電話予約(遅くても乗車希望の2時間程度前までに)をしてグルドンまで行きます。このサービスは予約希望の方々何名かまとめて同じバスに乗車してもらうことになるためご希望の時間に沿えない事もあるようです。詳しくはこちら(フランス語のみ)
☆リンク
グルドン村のサイト(観光局のサイトも含む)はこちら
グルドン城の様子をネット上でみることができます。リンクはこちら
“「フランスの最も美しい村 」グルドン Gourdon” への1件のフィードバック
情報もりだくさんで楽しく読ませていただきました。確かに、日本ではあまり知られていないですよね。交通が不便なせいでしょうか?
私はどなたかのブログで知って行ってみたのですが、恋に落ちました(笑)。南仏で一番好きな場所のベスト5に入る村です。おすすめですよ!
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