☆カーニバルのテーマ
約130年に渡る歴史のあるニースのカーニバルは、ヨーロッパの3大カーニバルの一つといわれ、毎年100万人以上の観客が集まり、フランスで最も大きなイベントです。毎年2月中頃から2週間開催され、2020年は2月15日(土)から2月29日(土)まで開催されます。
カーニバルでは、毎年「王様」をモチーフにテーマが決められ、2020年は、「世界の王様」がテーマです。
☆カーニバルの歴史
カーニバルの伝統は中世まで遡ります。カーニバル(carnival)の語源は、肉を取り去るというラテン語「carne levare」だと一般的に言われています。この時代には、カトリックの伝統、四旬節によって40日間の断食をする前に豊かでたっぷりの食事を楽しむ習慣がありました。このお祭り気分の期間は、ダンスパーティや仮面舞踏会、ダンス、プロバンス地方の民族舞踊であるファランドール、様々な展示会などのイベントも同時に開催されていました。
最も古い記録は、1294年にプロバンス伯シャルル・ダンジュがニースでカーニバルの陽気な日々を過ごしたと記され、1830年にはピエモン・サルディーニャ王国のシャルル・フェリックスとマリ・クリスティーヌに敬意を表して初めて行進が企画されました。30近くの一行が王と王妃のために行進し、カーニバルの始まりを知らせていました。1872年までは、それぞれのインスピレーションのままに仮装した大勢の人々が通りで紙吹雪や小麦粉、卵などを投げ合い、お祭りは最高に盛り上がっていました。
1873年にはニース出身のサエトン氏がニース市の後援をもとに「祭り委員会」を作り、フェスティバルに広がりを作るように企画準備をすることになります。フロート(山車)の行進、有料の観覧席、構造化された演出など、アイデアを出してゆきます。1873年2月23日に第1回目のカーニバルが街に入場します。現代的なカーニバルの誕生です。
アレクシス・モッサとその息子グスタヴ・アドルフが 1971年までニースを行進した中で最も派手なフロートの模型を作り、グロテスクで想像を絶する見事な独自性や現代性をカーニバルにもたらしてくれました。
1882年に、それまでは県庁の前で固定されていた藁とぼろ切れでできた質素な操り人形の「王」が初めて行進に参加しました。行進は、街の中心を10の異なる行程を廻り、その後、祭りは街界隈で夜遅くまで続きました。
当初フロート(山車)は小さな物が作られていましたが、現在ではフェスティバルのシンボルとして最も知られ、巨大化しています。
第一次、第二次世界大戦の期間中は、カーニバルも影響を受け、何年かは開催されませんでした。
☆カーニバルの見所
マセナ広場には大規模な飾りが付けられ、長さ12m、幅3m、高さ8〜16mほどの巨大な18台のフロート(山車)が「5大陸の王様」の物語を紡ぎながらカーニバルの行進をします。2013年のフロートのデザインは、国際的な新聞で活躍している漫画家やニースの文化をよく知っているアーチストなどが提供しています。フロートは伝統的には厚紙と小麦粉と水の練り物で作られ、今でも見られます。また、鉄材を使ったり、自動で動く仕掛けが施されたり、膨らませることができるエアートランポリン式のフロートも登場し、進化し続けています。フロート作りで一番有名なのが、ポヴィニャファミリーで、4代目のジャン・ピエール氏は24回賞をもらっているそうです。カーニバルのファイナルには、夜の海へ船に乗った王のフロートが流され、浜辺から火矢が放たれ火葬されます。
巨大でカラフルなパレードは、世界の至る所から来た1000名ものミュージシャンやダンサーたちによって盛り上げられます。このパレードがまず一つ目の見所です。
二つ目の見所は、夜のネオンに照らされたイルミネーションパレードです。とても素敵です。
三つ目は、花合戦です。マセナ広場周辺で行われます。
☆花合戦
美しい花々によって飾り付けられた長さ7m、幅2m、高さ6mのフロートに奇抜な衣装を着たカーニバル女王たちが乗り込み観客にミモザやガーベラ、アイリスなどの花々を投げてゆきます。1台当たり約20kgの切り花を2人がかりで観客の元へ渡します。フロートの飾りに使われる生花は、1台当たり3,000本で、強く甘い香りが漂っています。花が観客に向かって投げられると、このお祭りの縁起物をもらおうと観客の間で取り合いの花合戦が行われるのです。このような光景がカラフルな花々でいっぱいの20台のフロートの周りで繰り広げられます。初めて花合戦が行われたのは1876年、以来毎年行われています。元々は、花を交換するという簡単な形をとっていたのですが、少しずつショーの形となってきたようです。また、当初は当時の観光客である欧州の名士たちを楽しませるために開催されましたが、今では地元の花生産者たちの仕事をたたえるために継続されています。今日、このイベントで使われる花の80%がコートダジュール産で、花の質の高さや多彩さが評価されています。
花のフロートに乗るカーニバル女王たちは、インターネット投票で選ばれています。ランキングの上位20名が花合戦の花のフロートに乗ることができます。
☆観覧席
会場となるマセナ広場とプロムナード・デザングレの一部の観覧席(指定席)は、1人26ユーロ(6才〜12才は10ユーロ)、立ち見の入場料は12ユーロ(6才〜12才は5ユーロ)です。夜のパレードと昼のパレード(花合戦は含みません)は、仮装して行くと立ち見入場料が無料です。パレードが行われるアルベール1世公園周辺の歩道は、以前は無料開放されていましたが、5ユーロで立ち見ができます。人ごみではスリにご注意ください。セキュリティを通るのに混雑しますので開始1時間前には会場に行かれることをお勧めします。
観客同士が紙吹雪やパーティスプレーをかけ合って楽しむのもカーニバルの習慣で、いつも髪の毛やコートのポケットに紙吹雪などが入ってしまう状況ですので、多少汚れてもいい服装で出かけられることをお勧めします。特に子どもたちは、何でも許されるこの機会に大人にいたずらをしかけるのをとても楽しんでいます。
チケットは、事前(15日以上前)にインターネットや電話、郵便で購入ができます。ニース観光案内所内でもチケットの購入ができます。早く予約すると15%オフの料金でチケットが買えるようです。カーニバル期間内ですと売り切れの可能性が高いようです。プログラムなど詳細はこちらをご覧下さい。
またカーニバルの時期は、航空券やホテルの予約が取りにくくなりますので、早めにご予約を取られることをお勧めします。
マイコートダジュールツアーズでは、カーニバル当日の通訳を行っています。
ニースのカーニバルと同時期にマントンのレモン祭も行われています。
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