(写真:Ville de Valbonne Sophia Antipolis)
フランスのハイテクパークであるソフィア・アンティポリスの近くにあるヴァルボンヌの村は、自然に囲まれ穏やかで温かい雰囲気です。特にローマ時代の街作りの計画に基づいて作られた碁盤目に区切られた街が今でも中世の雰囲気を残していて、とても素敵です。
*こちらのページは、観光ガイドの代わりとすることが目的ではなく現地ガイドの経験から便利で役に立つ情報を提供できたらという思いから作りました。
*お勧め情報はステファニーの個人的な意見です。
☆地理・人口
ニースから西に30キロ、カンヌから13キロ内陸に入った山の中に位置し、自然に囲まれた村です。人口は1万1千人です(2003年)。
☆ 歴史
先史時代と古代ギリシャ・ローマ文明
ヴァルボンヌの周りにある丘で行われた発掘により、コートダジュールの田舎のこの地域に古代から人間が暮らしていた形跡が見つかっています。数々のローマの瓦やアンフォラという古代ギリシャやローマ時代の取って付き壷やオイルや種を保存しておくためのかめなども見つかり、紀元1世紀頃から農業が行われていたことがわかっています。ソフィア・アンティポリスの近くにある水路橋の遺跡は、ローマ時代にアンチーブまで水を運んでいたものです。
修道院とシャレ大修道院の影響
ヴァルボンヌの歴史は、長い間修道院の歴史と密接な関わりがあります。ヴァルボンヌ(Valbonne)という名前(“Vallis Bona” 良い谷)は、13世紀に修道院設立とともに、アンチーブのオリビエ司教からプラド神父に贈られた土地として初めて記されます。
シャレ修道会に属する修道士の数は最も栄えていた時には1200ほどになり、ヴァルボンヌを含め修道院の数は13にもなります。シャレ修道会の力が14世紀には衰え、大修道院はアヴィニョンの聖アンドレのクリュニー修道院と統合した後、グラースの司教から1346年にレランス大修道院へ贈られ、修道院として使われていきます。
1387-89年のレイモン・ド・チュレンヌ(チュレンヌ副伯、ボーフォート伯)によるクレメンス七世(アヴィニョンの教皇)に対する暴動による被害と、ペストの被害によって、大修道院の管轄する地域の村々の人口は過疎化します。
ヴァルボンヌ村
グラースの司教で、レランス大修道院長であったグリマルディ家のオーギュスタン氏が1519年に率先して、近隣の共同体の助けを借り、1351年からのペストの被害を受けた村を再建します。1199年に導入されていたシャレ大修道院の横に村は造られます。
建築様式は、ローマ時代の長方形の街作りの計画に基づいて、中央通り、そこに直角に交わる道と中央にある広場が造れます。主に防御的な理由で、城壁の家には、外部への扉がありませんでした。
この村の領主は、10 分の1税を取り、小麦を挽いたりパンを焼く権利、ブドウやオリーブをつぶす権利を持ち、長い間住民達は献呈を続けていきます。
今日皆さんがご覧になられる村はほとんど当時のまま維持されています。
16世紀から20世紀までの発展
20世紀の半ばまでヴァンルボンヌはオリーブやワイン用のブドウや、香水の原料となるバラやジャスミンを栽培し農業が中心の村でした。20世紀の初頭にセルヴァンというブドウの栽培が始まり、現在でもその名残りが1月最後の週末に行われる聖ブラシウス祭りの際に見られます。
第二次世界大戦中には、占領された地域からの難民がヴァルボンヌ村に到着します。平和が戻った後、1950年に発展が進みます。海岸沿いが人口過密となり、その周りの農業や林業の土地がある地域では農業が衰退したことにより、多くの一軒家が立ち並ぶようになります。この開発は、通信システムが改良されたことと公共施設が建設されたによって促進されます。商業や工芸品、観光やレジャー関連機関も同時に発展して行きます。
☆ 観光情報
ヴァルボンヌの見所は、特にローマ時代の街作りの計画に基づいて作られた碁盤目に区切られた可愛らしい街(村)並みです。村の中にはアンティークやインテリアのお店があって、ゆったりと散歩ができます。坂道を降りた所にある教会も中世からあり雰囲気があります。
11, rue de la République 06560 Valbonne
Tél. 04 93 75 03 61
とても有名なチーズ屋さんが村の中にあります。
味見もできてチーズによっては真空パックにしてくれます。
☆ レストラン
お勧めのレストランは、村の中心にある広場に面しアーチの横にあるTerra Rossaです。プロバンス料理が食べられお勧めです。
Cadran Solaire (4 rue Eugène Giraud)は、金・土(夏以外の日)にはランチ時もオープンしていて、洗練されていて美味しい料理が食べられます。
2017年できたレストランLou Cigalon-Maison Martinのシェフは、モナコのアラン・デュカスの3つ星レストラン”Louis XV”で4年、一つ星レストランla Bastide de Moustiers Sainte-Marie”5年、他にも星付きレストランでの経歴があり、こ自身のお店を開かれたそうです。奥さんは日本人でソムリエさんですので、日本語で話ができるので、安心です。
https://www.loucigalon.fr/
☆マイコートダジュールでは、ヴァルボンヌを含む小さな村巡りツアーを催行してます。
アクセスが難しい村々をまとめて一日でワンボックスカーで効率よくご案内します。
☆ アクセス
アンチーブのバスターミナルからEnvibus 10番のValbonne行きに乗り終点で降ります。50分から1時間程度かかります。時刻表はこちら
カンヌからは、駅横のバス停から630番のバスで45分から1時間です。時刻表はこちら
グラースからは530番のバスで40分程度、ムアンサルトーからは同じバスで15分から20分です。時刻表はこちら
写真:Ville de Valbonne Sophia Antipolis