Saint Tropez セレブリティに愛されるサントロペの魅力

地中海に面したフランスの高級リゾート地、サントロペ。世界中のセレブリティやスターたちが、夏のバカンスを過ごしたり、豪華な別荘を所有したり、プライベートヨットで訪れたりする、エクスクルーシブな避暑地として知られています。サントロペの人気は、かの有名な女優ブリジット・バルドーが別荘を構えたことに始まります。バルドーの存在が、多くのスターたちをサントロペに引き寄せ、「サントロップ(Saint Trop)」の愛称で親しまれるようになりました。今でもバルドーは、サントロペで引退生活を送り、動物たちに囲まれて暮らしているそうです。フランス人にとって、サントロペは特別な場所。リゾート地としてのイメージが強いイビサ島とは異なり、よりシックで洗練された雰囲気が漂います。そして、まだアジア人観光客にはあまり知られていない、隠れた楽園でもあるのです。私自身、フランスの国民的俳優ルイ・ド・フュネスが出演する映画「サントロペの憲兵」で初めてサントロペを知りました。多くのフランス人にとって忘れられない名作です。映画に魅了された私は、両親にせがんでサントロペの憲兵隊を見に行ったものです。

輝く地中海、美しいビーチ、洗練されたブティック、高級レストラン。そして、世界のセレブリティたちを魅了してやまない特別な空気。サントロペは、フレンチリビエラの中でも際立った存在感を放っています。

⭐︎サントロペの歴史

15世紀、侵略とペストに苦しむプロヴァンスを再建するため、ルネ王は様々な対策を講じました。1441年、王はジャンドコッサ氏のためにギモー男爵領を創設。この地域の弱点であったサントロペ湾の防衛を強化するため、イタリア人貴族ラファエル・ド・ガレッジオ氏に任務を託し、21世帯のジェノバ人家族を招いて都市の再建と要塞の建設を行いました。その要塞の一部は今も残り、当時の面影を垣間見ることができます。都市の防衛と保護の代償として、ジェノバ人家族には税金が免除されました。1558年、王は都市に軍隊を持つ権利を与え、1637年にはサントロペ軍がスペインのガレー船21隻を撃退するなど、勇猛果敢ぶりを発揮しました。1615 年、遣欧使節団、支倉常長一行が悪天候のため南仏サントロペ寄港しています。このことが日仏関係の始まりと言われています。

漁業、造船、貿易、農業といった伝統的な産業に加え、16世紀からサントロペは多くの船乗りや航海士を輩出。中でも、18世紀の海軍将校ピエール=アンドレ・デ・サフレンは、何世紀にもわたって最も有名な人物として知られています。歴史の表舞台にも、サントロペの名は登場します。1600年にはフランス国王アンリ4世の王妃マリー・ド・メディシスが立ち寄り、フランス革命時には政治家ポール・バラスが町の名を「ヘラクラ」に変更するよう提案したのです。19世紀、海軍関連の活動が発展し、1860年には「天使の女王」と呼ばれる大型商船が建造されました。サントロペは成長と繁栄を遂げ、1866年に港にバイイ・ド・サフレン像が建てられるなど、その威光を内外に示しました。20世紀に入ると、画家や知識人、芸術家たちがこの村を発見。文学、音楽、映画界の著名人が訪れ、サントロペは世界で最も有名な村の一つとなりました。

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⭐︎観光情報

今や世界中の人々を魅了するサントロペですが、その表情は夏と冬で大きく異なります。夏のシーズンには多くの観光客で賑わう一方、冬は閑散とした雰囲気に包まれます。コートダジュールと比べても、サントロペでは多くのホテルやショップが冬季に休業し、夏だけ営業するところが目立ちます。

サントロペを訪れる際の最大の課題は、アクセスルートが限られていること。半島に位置するため、誰もが同じ道を通ることになってしまうのです。オフシーズンなら、ニースから約100kmの距離を1時間ちょっとで到着できますが、夏のピークシーズンには3時間もかかることがあります。しかし、夏の渋滞を避ける方法もあります。ニースやカンヌから出ている船を利用すれば、数時間サントロペを満喫した後、その日のうちに戻ることができるのです。また、サントロペの向かいに位置するサントマキシムまで船で移動するだけでも、大渋滞を回避できます。

夏の喧騒と冬の静寂、二つの顔を持つサントロペ。季節によって大きく変化するその表情も、この地の魅力の一つなのかもしれません。世界中のセレブリティやジェットセッターを虜にするエクスクルーシブな雰囲気と、プロヴァンスの太陽が降り注ぐ美しい自然。サントロペは、訪れる人々に特別な体験を約束してくれます。

IMG_9091かつては小さな漁村だったサントロペ。今では、美しい海と白い砂浜、豪華ヨットが並ぶマリーナで知られる、地中海の宝石として輝いています。村の中心部では、エルメスやディオールなどの高級ブティックやデザイナーショップが軒を連ねます。中でも、サントロペ発祥のサンダル「トロペジエンヌ」で有名な靴店「Rondini」は、訪れる価値があります。

サントロペのトレンドは、ビーチボヘミアンやシックなヒッピースタイル。日焼けした肌にサンダルを合わせた、リラックスした雰囲気が漂います。

レストランは、特に景観の良い場所では非常に高額ですが、探せば素敵なお店も見つかるはず。港にある「Sénéquier」は、モナコの「カフェ・ド・パリ」のような雰囲気が魅力。テラスから眺める人々や美しい車、可愛らしい女の子たちを眺めながら、クラブサンドイッチやカプレーゼサラダを楽しむのもおすすめです。サントロペで外せないのが、「トロペジエンヌ・タルトtarte tropézienne」。シュークリームのようなこのタルトは、軽くて美味しく、夏にぴったり。「Sénéquier」に併設されるパティスリーショップでは、小さなサイズのタルトも購入できます。

村の涼しい通りを散策し、城砦からの眺めを楽しむのも素敵ですね。少し離れたラマチュエル・ビーチは白い砂浜で有名。レストランとブティック「クラブ51」は快適で人気のスポットです。

サントロペのホテルは高額で、ハイシーズンには予約が難しいことも。村のすぐ横にあるHotel de la Messardièreは、サントロペの豪華さを象徴するホテルです。

地中海の陽光に照らされて輝くサントロペ。その魅惑のオーラに包まれて、特別な夏の思い出を作ってみてはいかがでしょうか。

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